カテゴリー別アーカイブ: 認知症疾患医療センター

第13回わくわくカフェ開催報告

12月6日(土)に認知症疾患医療センターで第13回「わくわくカフェ」を開催し、19家族・計37名の皆さまにご参加いただきました。
午前中の時間を使って、認知症に関する講演をはじめ、グループでの自己紹介、リハビリステーションピースの理学療法士による体操のほか、創作、うたと演奏コーナーなど盛りだくさんの内容で開催しました。
プログラム冒頭の講演では、通常のもの忘れと認知症によるもの忘れの違いや、認知症予防に効果的な脳を守る3大要素(栄養・運動・交流)に関する話があり、メモを取りながら受講する参加者の方々もいらっしゃいました。グループごとでの自己紹介で緊張がほぐれると、体操コーナーでは手話を交えた歌唱の機会もあり、参加者同士で笑顔が見られることもありました。創作ではクリスマスのハンドベルをデコレーションし、完成したベルを使って「ジングルベル」の歌に合わせて演奏を行いました。プログラム最後の、「上を向いて歩こう」の歌唱では、スタッフによるピアノ&ギターの生演奏に加え、患者さんのハーモニカも加わり会場全体が素敵な音楽に包まれました。
参加されたご家族の方からは、“両親が他のご家族と楽しそうに話す姿を見てもっと交流させてあげたいと感じた”、“家族同士の悩みを話し合い、気分がすっきりした”などの声をいただきました。わくわくカフェが患者さんとご家族を明るく笑顔にする交流の場となるようこれからもスタッフやボランティアの方一同で精進して参ります。

 

認知症疾患医療センター リハビリテーション部 CP Y

認知症カフェを知っていますか?

認知症カフェとは…認知症の方やそのご家族、介護・医療の専門職、地域の方など誰でも気軽に参加でき、安心して過ごせる集いの場所です。

認知症カフェは、1997年のオランダで開催された「アルツハイマーカフェ」が始まりとなっています。
日本では2012年に認知症施策の「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」において初めて紹介され、その後、全国に急速に広がりました。

認知症カフェを運営しているのは、地域包括支援センター、社会福祉協議会、介護事業所、医療機関、NPO法人、喫茶店などさまざまです。
認知症カフェの内容や開催時間は各カフェによって異なりますが、主にカフェタイムや介護相談、アクティビティ(体操・手芸など)が行われています。

当院では2025年12月6日に第13回わくわくカフェ(認知症カフェ)を開催し、認知症の方とご家族、ボランティア、医療スタッフが大勢参加しました。
内容はスタッフ講話、体操、ハンドベル制作です。そして、作成したハンドベルを使って、みんなで合奏、楽しいひとときを過ごすことができました。

次回の開催は未定ですが、開催日時が決定すれば外来に掲示されます。興味のある方は参加してみてください。

もの忘れ外来看護師 T

認知症と向き合うご家族のために ――家族教室のご紹介――

認知症の患者さんを一番身近でみておられる家族の方にとって、「これでいいのかな?」「誰にも相談できない…」と感じられることはありませんか。
認知症について幅広く知識を得ることで、家族の方のご不安を少しでも軽く出来たらと、認知症疾患医療センターでは、『家族教室』という勉強会を開催しています。
この教室は、全5回の講座を月1回、毎回違う職種が担当し、それぞれの視点からお話をしています。

①医学:認知症の基礎知識(医師)
②介護福祉:制度やサービスの利用方法(精神保健福祉士)
③運動:認知症予防や進行予防に効果的な運動方法(作業療法士)
④看護と栄養:日常生活での工夫や、栄養バランス(看護師・栄養士)
⑤心理:患者さんへの関わり方や、ご家族のストレス対処(公認心理師)

2025年度は7月からスタートしており、これまでのところ、③までが終了しています。

この教室の特徴は、専門職からのお話に加えて、グループワークを行うところです。
それぞれの回の内容にまつわるテーマを設けて、少人数のグループで話し合うという時間があります。ご家族の方からは「理解が深まった」「共感することが多かった」「ヒントがもらえた」などのお声をいただいています。
どの回も、グループワークの時間が一番盛り上がり、ご家族同士の交流が自然に広がっています。

そして、来月11月の講座は、いよいよ「心理」の回です。高齢の方や認知症の方の「こころ」についてクローズアップしつつ、ご本人の気持ちへの寄り添い方や、ご家族自身の心の健康を保つことについてお話したいと思います。
グループワークを通じて、ストレス対処やお気持ちの整理について実践的に話し合えたらとも思います。

来年度の家族教室ご参加の申し込みは、院内掲示やチラシ等でご案内いたしますので、ご興味のある方は是非職員までお声かけいただけたらと思います。

公認心理師 M

※イラスト:イラストAC

「第5回オレンジメモリーウォーク in 倉敷」参加報告2025

カテゴリー: 認知症疾患医療センター | 投稿日: | 投稿者:

2025年9月18日、世界アルツハイマーデー(9月21日)の前夜祭記念行事として、公益社団法人 認知症の人と家族の会 岡山県支部主催「第5回オレンジメモリーウォーク in 倉敷」が倉敷美観地区にて開催されました。120名もの方が参加されたとのことです。

このイベントは、認知症に対する理解を深め、認知症の方やそのご家族を支援することを目的とした啓発活動です。認知症への支援や理解を示す色である「オレンジ色」のものを身に着けて美観地区を歩き、偏見をなくし、地域全体で支え合う意識を高めることを目指しています。

倉敷平成病院 認知症疾患医療センターは第1回から継続して参加しています。今年のゴールは倉敷市芸文館で、当センター長・涌谷先生がご挨拶をされました。先生は下着と靴下以外すべてをオレンジ色で統一され、参加者の注目を集めました。また、「軽度認知障害(MCI)」という言葉をAIでポジティブに変換したところ「みんなの ココが いい!」という言葉が得られたとのことで、寄せ書きにもこのフレーズを記されました。

当日は天候が心配されましたが、ウォークの時間帯は雨も降らず、無事に開催されました。午後6時にスタートし、6時30分に芸文館へ到着。その後、7時までセレモニーが行われました。美観地区を歩いていると観光客から「何の集まりですか?」と声をかけられ、オレンジメモリーウォークについて説明する場面もありました。幅広い世代が一緒になって取り組む姿から、この活動の広がりと大切さを実感することができました。

多くの方々が参加し、認知症について考えてくださっていることを改めて感じ、日々認知症の患者さんの診療に携わる公認心理師としても、非常に意義深い一日となりました。

倉敷平成病院 公認心理師 H

「第4回オレンジメモリーウォークin倉敷」参加報告2024

認知症疾患医療センターの相談窓口

カテゴリー: 認知症疾患医療センター | 投稿日: | 投稿者:

みなさん、こんにちは。
連日厳しい暑さが続いていますね。小まめな水分補給を忘れずに、体調にお気を付けてお過ごし下さい。

さて、今回は認知症疾患医療センターの相談窓口について、ご紹介をさせていただきます。


認知症疾患医療センターは1階西玄関、MRI検査室の向かいにあります。
入り口では認知症に関する講演会等のチラシや資料の配布をしており、自由にお持ち帰りいただけます。
当院もの忘れ外来の活動についてのお知らせもこちらに掲示しています。

部屋の中には認知症に関する本を多数置いてあり、貸出もしています。診察の合間にお読みいただくことも可能ですので、ご興味がありましたらいつでもお立ち寄り下さい。

認知症疾患医療センターでは、もの忘れ外来の受診やお困り事等に関する相談について、私たち相談員が相談を受け付けています。
「もの忘れ外来を受診をするか悩んでいる」「家族にもの忘れの症状が出てきて・・・」等々、ご相談がありましたらお気軽にお越し下さい。

精神保健福祉士 A

イラスト:イラストac

 

第12回わくわくカフェ開催報告

第12回『わくわくカフェ(もの忘れ予防カフェ)』開催報告
~笑顔あふれるひとときを皆さまと~

6月21日(土)、認知症疾患医療センターで第12回「わくわくカフェ」を開催し、19家族・計37名の皆さまにご参加いただきました。
今回は、脳神経内科 涌谷陽介先生による「認知症予防には“運動・栄養・交流”が大切」とのお話に始まり、リハビリステーションピースの作業療法士によるストレッチ体操創作レクリエーション、初企画となるフラダンス披露など、盛りだくさんのプログラムでお届けしました。

創作活動では、うちわを使った楽しいゲームで盛り上がった後、季節を感じるオリジナルうちわを制作。会場は活気と笑顔にあふれました。特に印象的だったのは、フラダンスの時間。ダンスを習われている患者さんとご家族が衣装に着替えて素敵な踊りを披露してくださいました。他の患者さんも自然と前にでて一緒に踊り、会場が一体となる温かいひとときとなりました。

「本人の楽しそうな表情を見て、私も嬉しくなりました」とのご家族の声もいただきました。この取り組みがご本人の笑顔を引き出し、ご家族の心にも寄り添える場となったことを実感しています。

今後もご家族の交流の場としてだけでなく、ご本人様が輝ける場面作りを提供していけるよう工夫していきたいと思います。

認知症疾患医療センター・リハビリテーション部 CP H

 

第11回わくわくカフェ開催

アルツハイマー病の新しい2つの治療薬

カテゴリー: 認知症疾患医療センター | 投稿日: | 投稿者:

アルツハイマー病の新しい2つの治療薬が相次いで認可されました。
テレビや新聞をはじめとして,色々なメディアで取り上げられています。
お薬の名前は「レケンビ®︎」と「ケサンラ®︎」です。

作用する仕組みは若干異なるものの、どちらのお薬もアルツハイマー病の脳に溜まるアミロイドβ蛋白(Aβ)を脳の中から取り除く薬剤です。

ポイントを簡単にあげておきます。

①アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)および軽度(初期)認知症の患者さんが対象であり、認知機能障害が進行した患者さんにはは対象にならない。

②事前に認知機能検査や頭部MRIを受けて、投与の基準を満たしているかどうか確認が必要。

③髄液検査あるいはアミロイドPETという検査を行なって、Aβが脳内に沈着していることが確認された場合に投与ができる。もし、Aβが脳内に沈着していないと判定された場合は、投与はできない。

④レケンビ®︎は2週間に1回、ケサンラ®︎は4週間に1回の点滴静注。投与期間は、レケンビ®︎は原則18ヶ月(1年半)。ケサンラ®︎は、投与開始1年目でアミロイドPETを行いAβが十分に除去されていれば投与を中止できる。除去が不十分であれば18ヶ月まで継続する場合もある。

⑤どちらもAβに対する「抗対医薬品」であり、ワクチンと同じ様にアレルギー反応などの副反応が起きる場合がある。

⑥Aβ関連画像異常(amyloid–related imaging abnormalities;ARIA)が副反応として生じる場合があり、投与開始半年間は頻繁に頭部MRを撮影することが義務付けられている。ARIAは、ほとんど場合無症状ですが、まれに頭痛、意識障害、けいれんなどの症状を起こすことがある。ARIAが生じた場合、定められた基準に従って、投与を中断したり中止したりする必要が生じることがある。

⑦どちらのお薬も高額な薬剤なので、健康保険の負担度や所得に応じて高額医療費制度を使える場合がある。

 

添付のPDFにもう少し詳しいお薬の説明を載せていますので、ご興味のある方はご覧ください。

また、最近ではGoogleなどの検索サイトにお薬の名前を入力すると、色々な情報を得ることができます。
とはいえ、なかなかパッと理解するのは難しかったりするので、医師からもっと詳しい話が聞きたいぞ〜〜という場合は、当院認知症疾患医療センターの受診予約の相談をしてください。

認知症疾患医療センター センター長 涌谷

イラスト:イラストAC

5月より認知症新治療薬「ケサンラ」治療を開始予定

カテゴリー: 認知症疾患医療センター | 投稿日: | 投稿者:

令和7年3月27日、認知症新治療薬「ケサンラ」の薬剤説明会が日本イーライリリー(株)より執り行われました。
4月18日には院内キックオフ会議を施行し、当院認知症疾患医療センターでは、令和7年5月より「ケサンラ」の治療を開始予定です。

「ケサンラ」治療においては、頭部MRI検査や認知機能検査、アミロイドPET検査等を行い、治療条件に該当した方に導入が可能となっています。
近年、アルツハイマー病に対する社会の理解は進み、新薬開発などにより治療の選択肢が広がっており、「ケサンラ」もその一つとなっています。「ケサンラ」は認知症症状の進行をゆるやかにする効果が期待されます。
治療のこと、不安なことがあれば是非ご相談ください。

ケサンラ®による治療を受けられる患者さん向けサイト

秘書課(医療秘書) S.U

市民公開講座 第22回もの忘れフォーラム開催報告

市民公開講座 第22回もの忘れフォーラム(主催 倉敷平成病院認知症疾患医療センター、川崎医科大学附属病院認知症疾患医療センター)が、令和7年3月8日(土) 155名の方々にご参加いただき、くらしき健康福祉プラザで開催されました。

第1部講演は京都府立医科大学大学院医学研究科 精神機能病態学 成本迅先生による『認知症になったときに備える資産管理のポイント―安心できる未来のために―』、

第2部講演は岡山県立大学 保健福祉学部 現代福祉学科 竹本良志人先生による『認知症の診断後から始める社会保障制度の利用―療養生活を経済面から支える方法―』。

第3部はシンポジウムを行いました。

成本先生には認知症発症に伴う経済活動のトラブルや備える対策等について、竹本先生には認知症と診断された方とその家族が住み慣れた地域で安心して生活を送るために診断後から利用できる制度等についてお話いただきました。
シンポジウムには、株式会社 中国銀行の方にもご登壇いただき、会場からの質問も交えながらそれぞれの先生のお立場から意見が交わされました。

今回は“これからのお金について”をテーマとさせていただきましたが、認知機能が低下する前にできる対策、診断後に利用出来る制度等について皆様と勉強することで、改めて自分自身が今できることを考えていただく良い機会となったのではないかと思います。
私自身も竹本先生の“経済問題は命にかかわる問題である”というお言葉で、専門職として経済支援の大切さを改めて痛感しました。

今後も認知症について正しく理解していただき、認知症の方やその家族の方をはじめ、誰もが住みやすい地域にしていくために、このような会を開催できるよう努めていきます。

最後にはなりましたが、今回のもの忘れフォーラムにかかわってくださった全ての皆さまに御礼申し上げます。

精神保健福祉士  A

第21回もの忘れフォーラム開催報告

【明日3/8(土)午後開催。当日参加OK!「もの忘れフォーラム」で一緒にお金について学びを深めましょう】

超高齢社会を迎える日本の課題の一つとして、認知機能が低下した高齢者の経済面をどう支援していくかという課題があります。わたしたちが日常生活を送る上でお金は切り離せない大切なものです。
昨今では、「金融老年学」という学問を広く普及しています。認知機能低下に伴い浮かびあがる経済面の課題、「これからのお金について」一緒に考えてみませんか?

日時 2025年3月8日(土)13時15分~16時
場所 くらしき健康福祉プラザ 5階プラザホール(倉敷市笹沖180)

講演 「認知症になったときに備える資産管理のポイントー安心できる未来のために―」
京都府立医科大学大学院医学研究科 精神機能病態学 教授 成本 迅 先生

講演「認知症の診断後から始める社会保障制度の利用-療養生活を経済面から支える方法-」
岡山県立大学 保健福祉学部 現代福祉科学 教授 竹本 与志人 先生

シンポジウム
京都府立医科大学大学院医学研究科 精神機能病態学 教授 成本 迅 先生
岡山県立大学 保健福祉学部 現代福祉科学 教授 竹本 与志人 先生
倉敷平成病院 認知症疾患医療センター センター長 涌谷 陽介 先生
株式会社中国銀行 コンサルティング営業部 担当者

参加費無料 当日受付でもご参加いただけます。
今、困られている方、そしてこれからのために知識として知っておきたい方、是非ご参加ください。

お問い合わせ 倉敷平成病院 認知症疾患医療センター ☎086-427-3535

第22回もの忘れフォーラムちらしPDF

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