第33回神経セミナー開催報告 「認知症と共に生きる」

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「認知症と共に生きる」をテーマに、11月7日(土)、第33回神経セミナーが開催されました。

今回は開催にあたり、感染対策にアクリル板の設置や約30名という極少数の参加の他、YouTubeにて動画配信(準備出来次第公開予定)での講演となりました。講師に国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター もの忘れセンター長 櫻井孝先生をお迎えし、「認知症予防をはじめよう 本人・家族を中心とした認知症予防」をご講演いただきました。厚労省の発表では、2025年には700万人が認知症に、すなわち65歳以上の高齢者のうち5人に1人が罹患すると推算されており、認知症の予防や発症後の生活について国民の多くが関心を寄せているテーマであります。

講演ではアルツハイマー病の原因として、遺伝子のほかに生活習慣が取り上げられており、アルコールの過剰摂取や糖尿病のリスクなどについての警鐘、またその予防として良いとされる身体活動や食事などをご紹介いただきました。

認知症は世界的に、手厚い介入によって患者を支える様々な取り組みがなされており、先進国では認知症の有病率は減少傾向にあります。認知症の予防とは発症を止めることではなく、発症や進行を遅延させること。発症したとしても、共存できるように社会全体で取り組んでいくことが重要であると述べられました。

当院でも認知症疾患医療センターを中心に、多職種によるチーム医療で患者さんやご家族をサポートしています。コロナ禍で活動の自粛や人とのつながりが希薄になりがちな昨今ですが、この講演を通してより多くの方が認知症に対する正しい知識を持ち、患者さんが安心して暮らせる社会が構築・持続できるように目指したいと思います。

秘書・広報課