冷えによる慢性膀胱炎

カテゴリー: ヘイセイ鍼灸治療院 | 投稿日: | 投稿者:

40代の女性患者が冷え症・肩こり・めまい・気分不良などの症状で当鍼灸院に訪れました。
また、数年前から頻尿・残尿感・排尿痛などの症状が繰り返し現れて、病院で慢性膀胱炎と診断されて、その都度、抗菌剤を投与されてきました。薬を飲めば症状が改善されますが、薬を止めてしばらくしたら、また症状が再発するような状態でした。

鍼灸院に訪れた当初は、腹部と四肢末端の冷えは非常に目立っていました。飲食習慣を聞いてみると、年中冷たい飲み物を飲んだり、アイスクリームを食べたりしているようです。

漢方医学の理論から考えれば、患者さんの諸症状は全部冷えに関連しています。治療は冷えの改善から行うべきだと判断しました。その理由を患者さんに説明し、冷たい飲食を控えるように治療の協力を求めました。

 この患者さんは非常に協力的で、それから一切の冷たい飲食を断ち、真夏でも温かいものを飲食するように努めるようになりました。その上、鍼灸と漢方を合わせて治療してから3か月後に、冷えは次第に改善されて、それに伴い諸症状も改善されました。繰り返し発生していた慢性膀胱炎の症状も、次第に再発しなくなりました。

患者本人としては、冷えと慢性膀胱炎は何のつながりもないことだと思っていました。今まで病院から冷たいものを控えるように指示してくれたこともなかったようです。しかし、冷えの改善とともに慢性膀胱炎も再発しなくなった結果から、冷えと慢性膀胱炎の繰り返し発生はやはり関係があることが確信しました。

現代医学では、慢性膀胱炎は感染症であり生活習慣病に属しませんが、しかし、漢方医学の概念から考えれば、生活習慣による病気とも言えます。「病は口から」という諺がありますが、飲食の習慣を正しく保たれば、多くの病気の予防に役に立つかもしれません。

この患者さんは漢方と鍼灸のお陰で良くなったと言われていますが、私は患者さん本人の努力によって良くなったと思っております。

ヘイセイ鍼灸治療院 甄 立学