放射線部

放射線部

 当院は、脳卒中、脳神経疾患に対する専門病院としての色合いが強く、その診断に際して、CT・MRI・脳血管撮影などの画像検査は欠かせません。私達放射線部は、この画像検査全般を専門に行っている部門です。

 2024年4月にワークステーションが新しくなりました。
ZIO社製、REVORASです。この装置ではCT・MRIの画像から3D・多段面再構成画像の作成、画像解析を行うものです。従来機より、高い表現力を持った画像を作成出来、診断の一助を担う事が可能となります。

 2022年6月から骨塩定量(骨密度)検査装置を更新しました(Hologic社製 Horizon Ci)。更新以前は骨塩定量(骨密度)検査装置と一般撮影検査装置を同室に設置し検査を行っていましたが、この度独立した専用の検査室を設けました。検査室を分けることで待ち時間短縮が期待されます。 また、新たに「TBS(Trabecular Bone Scorer):海綿骨構造指標」のソフトウェアを導入し、骨強度の指標となる「骨質」が測定出来ることになりました。骨強度は骨密度(70%)と骨質(30%)により規定されます。これらのデータを事前に知る事で、骨粗鬆症の予防や骨折を回避することに繋がります。

  また、当院では一般診療の他に、検診にも力を入れていています。脳ドック・乳がん検診・胃がん検診などを行っていて、早期の病変の発見に努めています。

放射線部

検査名をクリックすると詳しい内容をご覧頂けます

一般撮影検査

人体の目的とする部位に必要最小限度のX線を照射し、透過したX線強度の差を画像として表します。
代表的なものに胸部単純写真、腹部単純写真、骨の写真などがあります。
PACS(FUJIFILM MEDICAL社製 SYNAPSE)を導入したことにより、モニター上で画像を拡大・濃度変更を行うことで、より精細な情報を得ることができます。
状態の変化で撮影室まで来られない場合は、ポータブル撮影装置でレントゲン撮影を行います。

マルチスライスX線CT検査

CT検査とは、X線を使用して身体を断面像として画像化する検査で、単に輪切りだけでなく、縦・斜めなど、任意の角度の画像が作成できます。また、臓器や骨、血管などの3D画像を作成する事も出来ます。
当院では、TOSHIBA社製 Aquilion PRIME Focus Editionが稼働しています。
そして、CTやMR検査で得られた画像から3D画像作成や画像解析を行うワークステーション、 ZIO社製 ZIO STATION 2 PLUSも稼働しています。

特徴として、

  • 胸・腹部等の息止めが必要な部位では、5秒程度の一回の息止めで撮影が可能となり、患者さんに楽に検査を受けていただくことができます。
  • 被ばくに関しても、以前のものに比べより少ないX線量で良好な画像が得られますので、安心して検査を受けて頂けます。
  • 造影剤を使用することにより、さらに診断に役立つ画像を得ることができます。(造影剤使用にあたっては、副作用をひき起こさないよう、事前に説明・問診・同意書をとらせていただきます)

マルチスライスCTは、患者さんへの負担を軽くしつつ、正確な診断を素早く得るための装置です。

MR検査

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X線撮影やCT検査のようにX線を使用することなく(X線による被爆がありません)、代わりに強力な磁場と電波を使用することによって体内の状態を画像化する検査です。
体内の様々な病巣を発見できますが、特に脳や全身の血管、卵巣や前立腺等の下腹部、四肢などの病巣に関しては圧倒的に検査能力が優れています。MRI装置ではCT検査のように造影剤を使用しなくても血管像を描出することもできます。

しかしながらこの検査においては
 • 体動に弱い(検査中に動くと診断可能な画像が得られにくい)
 • 検査に時間がかかる(約15分から60分)
 • 体内金属(心臓ペースメーカー・MR検査非対応の金属など)がある場合は検査厳禁
 • 検査中の音が大きい
  など、患者さんに注意していただく点がいくつかあります。
  詳しくは検査実施前に撮影技師が十分な説明をさせていただきます。

現在、2台の3.0テスラMR装置(Philips社製Ingenia 3.0T、Achieva dStream 3.0T)が稼働しています。2016年2月、2020年12月と装置の更新を行っており、安心して検査を受けて頂くことができます。
高磁場・デジタルテクノロジーのおかげで今まで見つかりにくかった微弱な病変が鮮明に描出できるようになり、重大な結果を招く可能性のある病気の早期発見が期待できます。

また、「早期アルツハイマー型認知症診断支援システム:VSRAD」の検査も行っています。

 

マンモグラフィ検査

  • マンモグラフィとは、乳癌を診断する乳腺・乳房専用のレントゲン写真です。
  • 乳房を挟みながら圧迫して、左右それぞれ上下方向から1枚、左右方向から1枚、の計4枚を撮影します。
  • 挟むことにより痛みを伴うことがあります。これは病気を見つける上でとても大切なことですが、我慢できない時には遠慮なく撮影技師にお伝えください。
  • マンモグラフィでは触っても判らないような早期の小さな乳癌は勿論、しこりを作らない乳癌を白い影(腫瘤影)や非常に細かい石灰砂の影(微細石灰化)として見つけることが出来ます。悪性だけでなく、良性のものも見つかります。
  • 一般的には、月経開始後2,3日~10日頃くらいが、検査に適しているとされています。月経前1週間は撮影時の痛みが強く現れるため、受診の際にはこの期間を避けることをお勧めします。
マンモトーム生検

骨塩定量検査

 X線を使用して骨の密度を正確に測定することにより、骨に「す」が入り、腰痛や骨折の原因となる病気「骨粗しょう症」の診断や早期発見が可能です。
撮影は着衣のまま仰向けにベッドに横になるだけで痛みもなく簡単に測定できます。
撮影部位は腰椎・大腿骨頸部(必要により前腕骨)で行い、時間は一部位あたり30秒から1分で、とてもスピーディに検査できます。
被ばくに関しては一部位あたりで、胸部X線撮影の約1/4となり、極めて少ないX線を利用しているので安心して検査を受けていただけます。
当院では、世界で最も信頼されている米国ホロジック社の最新の骨密度測定装置「ホライゾン」により、従来以上に高精度かつ安全に骨粗しょう症の診断を行うことができます。

骨密度測定

X線テレビ検査

X線を使用して身体の内部を透視することにより行う検査です。
この検査は

  • 整復(骨折した骨を元の位置にもどす)
  • 上部消化管検査(バリウムを使って食道・胃・十二指腸などを観察する)
  • 脊髄腔造影(脊髄腔に造影剤を注入し視覚化する)
  • 嚥下造影検査・VF:Video Fluorography(飲み込みの検査)
  • など、各診療科によって様々な検査法があります。

現在、2台のX線テレビ装置が稼働していて、胃癌検診・人間ドック等の胃透視検査をより多く検査を行う事が出来ます。

血管造影検査

 血管造影検査は、「カテーテル」と呼ばれる直径1~2㎜程度、長さ50~100cm程の管を足の付け根や腕の血管に挿入し、 目的となる所の血管まで送り込んで、造影剤というお薬を流しながらX線撮影を行ないます。すると、 血管の形態や血流の状態が連続的に観察でき、動脈瘤・静脈瘤・動静脈奇形・ 動脈硬化、あるいは血栓症による血管の狭窄および閉塞な どの病変が診断できます。最近では、血管を撮影する方法として、X線CTやMR装置等もありますが、血管撮影専用のX線 装置で検査を行なうことで、より細かい血管や血流動態の把握などを行うことができます。 検査に要する時間は、通常1時間程度で、痛みはカテーテルを挿入する際に局所麻酔注射する時の痛みだけで、ほかに苦痛となる痛みは殆どありません。